ニューヨーク、真夏の夜の夢!!! March 21



セント・パトリックス・デーのパレード(5番街にて)


ニューヨークでもクロッカスやレンギョウが咲き始めた。ニューヨーカーはアウトドア行事が大好き。

今週はセントパトリックスデーのパレードがあったし(左)、明日の日曜はイースターパレードが控えている。

セントラルパークに沿いの5番街には、階段状の座席をしつらえる用意が整っている。

春の気配が感じられるようになると、ダンス愛好家が真っ先に頭に描くのは、次々と開かれるアウトドア・ダンスパーティーだ。

5月の最終週、212ニューヨーク・スタイルのサルサ・タンゴ、ダンスセミナーと時期を同じくして、ブルックリン橋のたもとにある、サウスストリート・シーポートで、土曜のサルサ・パーティーや日曜のタンゴ・ミロンガが始まる。

ニューヨーカーに限らず他州からもタンゴ好きが週末を利用してどんどん集まってくる。野外というのがポイントだ。


サウス・ストリート・シーポートの野外ダンスパーティーは、全米はおろか、海外からショッピングに訪れた観光客や、レストランに食事にきた人たちも、足をとめて、気楽に参加し始める。

そして、6月からは、セントラルパークでのミロンガが、土曜の夜に始まる。タンゴの情熱的なメロディーと、ダンサーたちの美しい動きに魅了されて、ジョギングやサイクリング、散歩の足を止めて見物客となり、人垣ができる。親子連れも恋人たちも。

 


<サウス・ストリート・シーポートから、ブルックリン橋を眺める>

そして、ニューヨークのアウトドア・ダンスでも、ひときわ盛り上がるのは、6月中旬から夜ごと催される、リンカーン・センターの「真夏の夜の夢(ミッドナイト・スウィング)」だ。

リンカーン・センターの真ん中で、スウィングに限らず、サルサナイト、タンゴナイト、社交ダンスから、ブラジリアンまで、毎晩、生バンドとダンスで、ニューヨークの夜を彩る。

金曜、土曜の夜などは足の踏み場もないほどの人気だ。

得意のダンスを披露する人、お気に入りのバンドを聴きに来る人、雰囲気を味わいにくる人、これまた様々である…。

ラテン系の人はステップを知らなくても、ちょっと肩や腰を動かすだけで、すごく様になるから、「わあ、やっぱりリズムが体にしみ込んでるんだなぁ」、と感心する。

「マンボの王様」を謳われたティト・プエンテの息子が率いる、ティト・プエンテ楽団も、毎年必ず、このリンカーンセンターの「真夏の夜の夢」に登場するのである。

ダンスは言葉や年齢、人種の壁を越えて、皆を、同じ時間(とき)と空間へ導く。ただ、「ダンスや音楽が好き」というだけで、本来、全然背景が違う人たちが、素晴らしい瞬間を共有するのだ。

真夏の夜のひととき、ニューヨークのダンスシーンでの一期一会が味わえる。日本の皆さん、ぜひ、私たちと踊りに来てください

KK